花粉シーズン前に始める住宅対策/換気システムとサッシ性能で大きく変わる室内環境
毎年2月頃から本格化する花粉シーズン。
花粉症の方にとってはつらい時期であると同時に、
住宅の仕様によって室内環境の快適性が大きく変わる季節でもあります。
特に近年は「在宅時間の増加」「24時間換気の義務化」「気密性能の向上」などにより、
住宅と花粉の関係性は以前よりも高度な視点で捉える必要が出てきています。
本記事では、花粉シーズン前に準備しておきたい住宅側の対策として、
「換気システム」「サッシと気密性能」「フィルター・網戸」
の3つの視点から解説します。
■ なぜ室内に花粉が入るのか?メカニズムを整理
花粉の侵入経路は大きく分けて3つです。
● 窓の開閉から侵入
● 換気システムから侵入
● 衣服・髪・荷物と共に持ち込み
最近の住宅は高気密になっているため「窓を閉めていれば安心」と思われがちですが、
実際には機械式換気システムからの侵入が無視できません。
さらに、窓サッシの気密性能が低いと、強風時に大量の花粉が侵入するケースもあります。
■ 24時間換気システムは止めてはいけない
花粉時期になると「換気を止めれば花粉が入らないのでは?」という発想が生まれがちですが、
24時間換気は止めるべきではありません。
理由は明確で、
● 室内の湿気滞留による結露・カビ
● 二酸化炭素濃度の上昇による頭痛・眠気
● VOC(揮発性有機化合物)濃度の上昇
など、住環境リスクが高まるためです。
そこで有効なのが「給気側のフィルター強化」です。
最近は下記のようなタイプが増えています:
● PM2.5+花粉対応フィルター
● 花粉捕集率90%以上の静電フィルター
● 給気口キャップ型フィルター
これらは既存の換気口に後付けできるケースが多いため、
施工負荷も低く導入しやすい点がポイントです。
■ サッシ性能で変わる侵入量 -- 気密性=防花粉性能
花粉侵入量は「気密性能」と強い相関関係があります。
住宅の気密性能はC値(隙間相当面積)で評価され、
C値が低いほど空気漏れが少なく、花粉の侵入も減ります。
特に旧来のアルミサッシは気密が低く、花粉だけでなく
● 冷気侵入(冬の寒さ)
● 結露増加
● 外部騒音
にもつながります。
現在は
● 樹脂サッシ
● アルミ樹脂複合サッシ
● Low-E複層ガラス+気密パッキン
といった仕様が主流で、花粉対策のみならず
断熱性能の向上による光熱費削減にも寄与します。
■ 網戸のメッシュ選びも軽視できない
網戸は「虫対策」だけではなく、花粉の粒径と関係しています。
一般的な花粉は20〜40μmですが、標準網戸は1mmオーダーの隙間があるため容易に通過します。
花粉対策型の網戸は
● 繊維を細くして密度を上げたタイプ
● 静電気で花粉を吸着しやすいタイプ
があり、窓開け換気をしたい家庭に有効です。
■ 花粉対策で実は人気が高い「内窓設置」
花粉とは一見関係なさそうな「内窓(インナーサッシ)」ですが、
気密性向上により侵入経路を大幅に減らす効果があります。
また副次的メリットとして
● 冷暖房効率の向上
● 結露軽減
● 断熱UPで光熱費削減
● 防音性能向上
など、通年メリットも大きく、施工満足度が高いメニューです。
■ まとめ:
花粉は「入れない」「持ち込まない」「滞留させない」
住宅の花粉対策は
① 換気経路から入れない(フィルター)
② サッシ性能で侵入を防ぐ(気密+内窓)
③ 網戸・メッシュで窓開け対策
の3点が重要です。
花粉症対策は医療や生活用品に意識が向きがちですが、
住宅性能で改善できる余地は大きい分野です。
シーズン前の1〜2月は、リフォーム相談に最適なタイミング。
室内環境の改善を検討されている方は、ぜひ早めにご相談ください。
